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・小劇団「シアターフラッグ」
　ファンも多いが、解散の危機が迫っていた……そう、お金がないのだ!!
　その負債額300万円！
　悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。司は巧にお金を貸す代わりに「２年間で劇団の収入からこの300万円を返せ。できない場合は劇団を潰せ」と厳しい条件を出した。
　新星プロ声優・羽田千歳が加わり一癖も二癖もある劇団員は十名に。そして鉄血宰相・春川司も迎え入れ、新たな「シアターフラッグ」は旗揚げされるのだが……!?


　有川浩さんの「シアター！」がメチャクチャ面白かったです。
　久しぶりに本を夢中になって読んでしまいました。そもそも小劇団の経営っていう題材が好みなんですけど、読みやすい上に場面が想像できるような文章なのが良かったです。
　表紙と人物紹介にだけイラストがあるけど、挿絵は一切ないんですよ。読み終わるまで気付きませんでしたけど。メディアワークス文庫はラノベと差別化してるのかな？
　あとで見たら牧子さん以外、大体読んだイメージ通りだった。すげぇ。牧子さんはなんか、ちょい地味なメガネってイメージだった。看板女優なのに。
　とりあえず「続きはご想像におまかせします」的な締めで、綺麗に終わっててこれはこれなんですが、もう今すぐ続きを読ませろ！くらいの勢いですよ私は。
　ラストに借金残り○円、とヤマト風に書いて終わるシリーズもの希望。
　ていうか千歳と司さんの恋バナをもっと！巧も絡ませてちょっとだけ三角関係っぽい感じにしつつ、やっぱり司さんとくっつく話を読ませて！
　経理はバッチリなんだけど、演劇とか「ものづくり」はズブの素人な司さんが、みんなの頑張りを応援しつつも疎外感を感じちゃうとことか、なんかすごく切ないんですよね。
　千歳をみてる巧をみてる牧子さんとかもね、もっと掘り下げてほしいね。「私も牧子さんみたいになれるかな……」って言われたときの心情を察すると、ウォトカをストレートで何杯かかっ喰らってそのまま寝たくなりますね。こういうのかなり好きです。